アルコール飲料「フォーロコ」には、かつて「カフェイン」が入っていた。
しかし、2005年にこれを飲んで病院に担ぎ込まれる例が相次いで報告されたため、FDA(アメリカ食品医薬品局)は2010年、「アルコール飲料にカフェインを加えるのは違法である」と布告した。
確かに、フォーロコには「カフェイン」が入っていた。しかし、最近の研究によると、「カフェインはアルコールが身体に吸収される仕組みに影響を与えない」という話だ。つまり、フォーロコを飲んで病院に担ぎ込まれた人々は、「カフェインのせいで悪酔いしたわけではなかった」という可能性が浮上しているのである。
ではなぜ?
それは、フォーロコに「酒の味」がしなかったのが原因と考える研究者がいる。
人間の身体は、まだアルコールを飲まないうちから、アルコール摂取に備える「学習」をしている。たとえば、ビールを見たり、酒の匂いを嗅いだりすることで、身体が事前にアルコールに備えるのである。
ところが、見たこともない飲料や、酒の味のしない飲料に、思いもかけずアルコールが含まれていると、身体は「奇襲攻撃」を受けた状態になってしまう。そして、それが飲み過ぎ、悪酔いにもつながってしまうというのである。
なるほど、フォーロコの罪状はカフェインが含まれていたことではないかもしれない。
あまりにも「新しすぎたこと」が真犯人のようである。人間は誰もまだ「学習」していなかったのだ。
ソース:日経 サイエンス 2012年 02月号
「『フォーロコ』で悪酔いする理由」
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