2016年11月19日土曜日
中世イスラム、知恵の結晶「アストロラーベ」
古代ギリシャで生まれたという「アストロラーベ(Astrolabe)」。
星の動きから、時刻や方位などを知る道具である。
アストロラーベは、中世のイスラム世界でさかんに作られた。
イスラム文明博物館のオスマン・フィダンさんは言う。
「イスラム教徒の一日5回の礼拝は、正しい時間に行われなければ無効になってしまいます。そのため、イスラム教徒にとってアストロラーブは大切な道具だったのです」
※アラビア語ではアストロラーブと発音する
時刻にくわえ、礼拝する「聖地メッカの方角」もアストロラーベは教えてくれる。ゆえに、アストロラーベはイスラム教徒にとって欠かせないものだった。
その使い方は?
まず、裏面の定規をつかって「星の高さ」を測る。
表面には、星の高さを線刻したプレートと、
星座の位置をしめす回転盤がついている。
これら2つをつかって、先に求めておいた星の高さから時刻と方位を割り出す。
わずか直径10cmほどの、このアストロラーベ。中世イスラム世界における知恵の結晶である。
15世紀末、ヨーロッパで大航海時代が幕をあける。
ポルトガルの冒険家、バスコ・ダ・ガマが携えていたのは、ほかならぬアストロラーベ。それを用いて、インドへの海上ルートをひらくことに成功した。
アストロラーベは緯度も求められた。
おかげで長距離の船旅も可能になったのだった。
チェコのプラハには、アストロラーベを時計に改良したものが残る。
出典:テレビでアラビア語
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