歴史に名高い、真田の「赤備え(あかぞなえ)」。
兜に鎧に陣羽織、すべて真っ赤。
付き従う兵も然り。旗や馬まで、すべてが赤、赤、赤。
真田の赤備え |
しかしながら、真田幸村こと信繁のものと伝わる甲冑は、意外にも黒っぽい。
真田信繁 鉄二枚胴具足 |
じつは、信繁の赤備えは「大阪の陣」にのみ用いられた、特別ないでたちであったという。
赤という、ひときわ目立つ装束を身につけた真田の軍勢は、敵にも味方にも、その一挙手一投足までが明らかであった。ゆえに、軍卒の端にいたるまで恥さらしな行動はできない。目立てば目立つほど、真田軍は奮い立ったという。
その勇戦は歌によまれている。
「ツツジの花 盛んに開くが如し」
覚悟の赤 |
では、真田信繁の父、真田昌幸。
戦国の一匹狼の甲冑や、いかに。
戦国の一匹狼 真田昌幸 |
こちらも渋い具足が、上田市の博物館に残っている。
注目すべきは、草摺の裾板に「鹿革」が使われているということ。
鹿は古来、神の使いとされてきた動物。その力が甲冑に宿れば、武運長久まちがいなし。
真田昌幸 啄木糸縅伊代札胴具足 |
鹿のツノ!
親子そろって、神聖なる鹿に身を包まれていた。
鹿角のカブト |
出典:NHK美の壺
「戦国武将 いでたちの美学」
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