被験者から見えるのは、ゴム製の「偽の右手」。
本物の右手は仕切りによって見えないようになっている。
両手の間に置かれた「偽の右手」 |
本物の右手と、偽物の右手。
その両方を同時に筆でなでられると…
ゴムの手を「自分の手」と錯覚してしまう。 |
偽物だと明らかにわかっているにも関わらず、「触られているという感覚」が脳に錯覚をおこさせる。
錯覚を起こしている脳細胞 |
触られるという「触覚」は、脳にリアルを実感させる絶大な効果がある。
叩かれる? |
脳が錯覚を起こしている状態で、偽の右手をハンマーで叩こうとすると…
「痛い感じがした」 |
もはやゴムの右手を、脳は偽物だと思っていない。
痛いという感覚までをも体感させてしまう。
これを専門的には「ラバーハンド・イリュージョン」と呼ぶ。
「脳が錯覚をおこして、ゴムの手が自分の手だと思い込んでしまうのです。筆でなぞられるという触覚情報によって、脳は一気に現実だと判断してしまうのです」
書籍『脳のなかの幽霊』でラマチャンドラン博士が明らかにしているように、触覚という感覚はとどのつまり、脳がつくりだす電気信号にすぎない。
ゆえに、以下のような錯覚も容易に引き起こされる。
超音波による、まぼろしの触覚 |
「何もない空間に、超音波によってモノの触り心地を再現することができます」
その感触はリアルそのもの。だが、その実感は数百の超音波センサーから発せられた波動(振動)にすぎない。
果たして、われわれの空間に、モノは本当に存在しているのだろうか?
触れるからといって、その実在が証明されたことにはならない。
色即是空
空即是色
出典:NHKサイエンスゼロ
「驚異の体感! 触覚テクノロジー最前線」
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