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2016年11月21日月曜日

実在は「脳の錯覚」か?



被験者から見えるのは、ゴム製の「偽の右手」。

本物の右手は仕切りによって見えないようになっている。



両手の間に置かれた「偽の右手」



本物の右手と、偽物の右手。

その両方を同時に筆でなでられると…



ゴムの手を「自分の手」と錯覚してしまう。


偽物だと明らかにわかっているにも関わらず、「触られているという感覚」が脳に錯覚をおこさせる。



錯覚を起こしている脳細胞



触られるという「触覚」は、脳にリアルを実感させる絶大な効果がある。



叩かれる?


脳が錯覚を起こしている状態で、偽の右手をハンマーで叩こうとすると…



「痛い感じがした」



もはやゴムの右手を、脳は偽物だと思っていない。

痛いという感覚までをも体感させてしまう。



これを専門的には「ラバーハンド・イリュージョン」と呼ぶ。


「脳が錯覚をおこして、ゴムの手が自分の手だと思い込んでしまうのです。筆でなぞられるという触覚情報によって、脳は一気に現実だと判断してしまうのです」







書籍『脳のなかの幽霊』でラマチャンドラン博士が明らかにしているように、触覚という感覚はとどのつまり、脳がつくりだす電気信号にすぎない。

ゆえに、以下のような錯覚も容易に引き起こされる。



超音波による、まぼろしの触覚



「何もない空間に、超音波によってモノの触り心地を再現することができます」

その感触はリアルそのもの。だが、その実感は数百の超音波センサーから発せられた波動(振動)にすぎない。







果たして、われわれの空間に、モノは本当に存在しているのだろうか?

触れるからといって、その実在が証明されたことにはならない。



色即是空

空即是色






出典:NHKサイエンスゼロ
「驚異の体感! 触覚テクノロジー最前線」




2012年10月30日火曜日

中心視野と周辺視野


人間の目で見ている範囲は、すべて均一に見えているのではなく、「中心視野」と「周辺視野」がある。

最近の心理学によると、じつは脳内の反応速度は、中心視野よりも周辺視野のほうがわずかに速いとのこと。



ソース:MacFan 2012年10月号


2012年9月20日木曜日

「左脳タイプ」、「右脳タイプ」はいない?


脳にまつわる神話

「左脳タイプ」と「右脳タイプ」がいる。



左脳は「論理的思考(言語)」に、右脳は「直感や芸術(空間能力や感情表現)」に使われるという主張は「作り話」だ。

脳画像研究においては、右半球(右脳)が創造活動の中枢だという証拠は得られていない。そして、脳は読字と計算なども含め、あらゆる認知機能において、左右両方の脳半球を使っている。

右脳・左脳を分けて考えたがるのは「心理学者」であったり、「教育者」であったりするだけで、決して科学者ではない。



出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「それって本当? 脳にまつわる5つの神話」

「聞くだけ」ではなく、「演奏」を。脳の訓練


子供たちは「楽器」を熱心に練習すると、学業成績も良くなるかもしれない。

「タイガー・マザー」の著者であるチュアは、バイオリンとピアノを娘たちに毎日何時間も練習させたという。楽器の練習が注意力と作動記憶、自己コントロール力を高めるためだという。

ノースウェスタン大学のクラウスは、脳波データを用いた研究により、音楽の練習が生徒たちに「聞き上手」になることを示した。音楽の訓練を受けた人々は、教室などザワザワと騒々しい環境でも、話を抽出して聞くことができる。これは、音楽家がそうでない人よりも音をクリアに知覚できるのと同じである。



また、クラウスの別の研究では、「脳トレゲーム」よりも「ギター」が有益であることも示した。「ギターを演奏するには、曲を覚え、辛い練習を重ねて、何度も何度も再現を試みる必要がある」。

数年前、モーツアルトを聞かせるだけで乳幼児の知能を伸ばすというブームがあったが、それは最新の研究では否定されている。「何らかの効果を上げるには、実際に楽器を演奏して脳を鍛える必要がある」とクラウスは言う。

「演奏を練習すればするほど、音の微妙な違いを区別する能力が磨かれるのであって、聞くだけでは不十分だ」とのことである。



出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「脳科学が教える 学び上手にする方法」