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2012年11月9日金曜日

見たこともないアルコール飲料には要注意



アルコール飲料「フォーロコ」には、かつて「カフェイン」が入っていた。

しかし、2005年にこれを飲んで病院に担ぎ込まれる例が相次いで報告されたため、FDA(アメリカ食品医薬品局)は2010年、「アルコール飲料にカフェインを加えるのは違法である」と布告した。



確かに、フォーロコには「カフェイン」が入っていた。しかし、最近の研究によると、「カフェインはアルコールが身体に吸収される仕組みに影響を与えない」という話だ。つまり、フォーロコを飲んで病院に担ぎ込まれた人々は、「カフェインのせいで悪酔いしたわけではなかった」という可能性が浮上しているのである。

ではなぜ?

それは、フォーロコに「酒の味」がしなかったのが原因と考える研究者がいる。



人間の身体は、まだアルコールを飲まないうちから、アルコール摂取に備える「学習」をしている。たとえば、ビールを見たり、酒の匂いを嗅いだりすることで、身体が事前にアルコールに備えるのである。

ところが、見たこともない飲料や、酒の味のしない飲料に、思いもかけずアルコールが含まれていると、身体は「奇襲攻撃」を受けた状態になってしまう。そして、それが飲み過ぎ、悪酔いにもつながってしまうというのである。



なるほど、フォーロコの罪状はカフェインが含まれていたことではないかもしれない。

あまりにも「新しすぎたこと」が真犯人のようである。人間は誰もまだ「学習」していなかったのだ。





ソース:日経 サイエンス 2012年 02月号
「『フォーロコ』で悪酔いする理由」

2012年10月30日火曜日

中心視野と周辺視野


人間の目で見ている範囲は、すべて均一に見えているのではなく、「中心視野」と「周辺視野」がある。

最近の心理学によると、じつは脳内の反応速度は、中心視野よりも周辺視野のほうがわずかに速いとのこと。



ソース:MacFan 2012年10月号


2012年10月16日火曜日

なぜ髪の毛は白くなる? 半世紀以上の謎



なぜ、「髪の毛」には色んな色があるのか?

黒、金髪、ブロンズ…、そして白。

髪の毛の色は「メラニン色素」によって色づけされているのだが、「その色素細胞がどこから供給されるのか、『半世紀以上の謎』となっていた」。



ようやく解明されて判ったことは、そのシステムに「幹細胞」が関係していたということである。幹細胞というのは、これからどんな細胞にもなることができる、子どものように幅広い可能性をもった細胞のことだ(iPS細胞・ES細胞)。

それは、まだ職業が決まっていない学生のような状態であり、その仕事がまだ決まっていないのである。ちなみに、このニート的なフリーランスな状態を「未分化」という。一方、職業と仕事が決まってしまった状態を「分化」と呼ぶ。

すなわち、幹細胞というのは、分かれるか分かれないのか、その「分岐点」にいる状態なのだ。



分化というのは、別の言葉でいえば「年をとる(老化)」ということ。年をとるにつれ、細胞は「分化」して定職につくようになるのである。

これを髪の毛の根元(毛包)の中にある幹細胞に置き換えてみると、髪の老化というのは「白髪」や「脱毛」。これらは、細胞が分化してしまった結果として起こることなのだそうだ。

髪の毛に色が付くのは、毛包内に未分化な幹細胞が豊富にあるからこそ成せる業である。ところが老化とともに、毛包内の未分化な幹細胞が減ってくると、だんだん色素を作れなくなってしまう。そして、白髪になるのだ。また、脱毛にもつながるのだ。



では、もし毛包内の細胞を「初期化」、すなわち分化した細胞を未分化な状態にまで逆戻りさせることができたら…、真っ白だった髪の毛はクログロと、つるつるだった頭はフサフサに…、なるのだろうか?

もしそれが可能なら、ノーベル賞をとった山中伸弥氏の功績は、「豊かな頭上世界」を演出することにもなるのだろう。





ソース:日経 サイエンス 2012年 01月号
「幹細胞から白髪・脱毛のメカニズムを探る」

2012年9月22日土曜日

自らの肺をつぶすアシカ


なぜ、アシカは「潜水病」にかからないのか? 300mも潜水するというのに…。

人間であれば、「減圧症」という潜水病にかかり、時には死んでしまう。それは、水中深くいる時に、その水圧で血液中の「窒素」が圧縮されており、急に浮上すると、その縮んでいた窒素が急速に膨張してしまうためだ。



さっそく、アシカに機器を取り付け、潜ってもらおう。

するとそのアシカ、水深225m付近で、意図的に「肺を潰していた」。それは、血液に取り込まれる「窒素」を遮断するためだという。ちなみに、潜水をする他の哺乳類でも同様に、肺を縮めることが知られているそうだ。

肺を潰したまま、水深300mまで潜水していったアシカ。今度は一転、再浮上。

すると、水深247m付近で、今度はふたたび肺を元に戻していた。



自然界には、アシカよりも深く潜水できる動物はたくさんいる。

たとえば、皇帝ペンギンは水深500m以上、ゾウアザラシは水深1,500m以上だ。

潜るようにできている動物たちは、そもそもの身体のシステムがそうなっているということだ。



出典:AFP
「アシカの潜水病を防ぐメカニズムを解明、アメリカ研究」