「月のしずく」とも称せられる「真珠」。
それは、「貝」の生み出した「偶然の産物」であった。

硬い殻に覆われている貝であるが、じつはタコやイカと同様、「軟体動物」。硬い殻の中にある彼らの本体は「グニョグニョ」。
その脆弱なグニョグニョの本体を防護するために、鎧のような硬い殻をその身にまとっているのである。
しかし、グニョグニョの本体は硬い殻(鎧)とこすれ合うと、とても痛い。
この不快さが何とかならぬかと編み出したのが、「真珠層」と呼ばれる柔らかいインナーである。
幸いにも、軟体動物の血液には「カルシウム」が豊富であり、それを結晶化させれば、ほどよい柔軟性をもった膜を作ることができたのだ。
結晶化させたカルシウムを、せっせとタンパク質で繋ぎ合わせて作ったのが「真珠層」。その真珠層は外界の光を反射すると、キラキラと虹色に輝いて見えた。
こうした「真珠層」を持つ貝は数多い(貝殻の裏側がキラキラと輝く貝を思い起こして頂きたい)。
その真珠層が丸く結晶したモノこそが、人類の愛してやまない「宝石」となるわけであるが、天然の状態で丸い結晶が見つかることは極マレである。
その確率は1000分の1程度と言われており、しかもマン丸ではなく「イビツな形」であったりもする。