2012年9月20日木曜日

都市のマジック。プラス15%の法則


都市は人口が多いほど、「分け前」も多い。

たとえば、ある都市の人口が2倍になると、その平均所得は2倍以上になるという。ボーナス的に「プラス15%」が加算されるのだ。この法則は、人口4万の都市が8万になろうが、その100倍の400万都市が800万になろうが、変わることなく機能する。

一方で、都市が必要とする資源やエネルギーに関しては、これと全く逆の法則が成り立つ。都市の人口が2倍になれば、インフラ設備(電気・水道・道路など)が2倍必要となるわけではない。それよりも「マイナス15%」少なくて済むのだ。



都市の人口が増えるほどに、生産性が増して収入が15%上乗せされ、その一方で出費は15%もカットできる。これが「都市マジック」だ。

さらに、人が集まるほどイノベーション(革新)も加速する。古くはプラトンとソクラテスが都市国家アテネに、ガリレオとミケランジェロはルネサンス期の都市フィレンツェに、そしてスティーブ・ジョブズとウォズニアックはシリコンバレーの大都市圏に暮らしていた。都市におけるイノベーションの加速は、特許出願数の増加となって現れる。



なぜ、都市ばかりが不思議な動きを見せるのか?

人口が増えれば、非効率なことは排除される力が働く。たとえば、高い家賃を払っているのなら、それに応じて価値の高いものを生み出す必要が生じる。その結果、収益性が高まれば、都市の価値が上がり、家賃はもっと高くなる。そうなれば、さらに相当の価値を生み出さなければならなくなる。

こうしたフィードバック・メカニズムが、都市の富、そしてイノベーションを常に「人口増加分プラス15%」に保ち続けるのである。



出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「少ない資源から多くを生み出す都市」

なぜ、都市の住民は長生きなのか?


都市は、住民たちに「健康」をもたらすようだ。

世界の大都市、ニューヨークの住民の平均寿命は、全米平均よりも「1年以上長い」。



それは、なぜか?

高齢者がなぜ長生きなのかは判然としないが、「若年層」に限っては、その理由は明白だ。

35歳未満の若年層における主な死因は「交通事故と自殺」だが、都市部ではそのいずれもが極めて少ない。ニューヨークの交通事故による死亡率は、アメリカ全体に比べて「70%以上低い」。

一杯ひっかけた後に地下鉄に乗るのは、酔っ払って車を運転するよりも、ずっと安全だということか…。



出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「都市の力 革新のエンジン」

宇宙の育つ過程で増えていった元素


ビッグバンから始まった宇宙には、もともと「水素」とわずかの「ヘリウム」しか存在しなった。

それが恒星という元素の製造工場が、核融合によって「鉄」までの元素を作り出した。そして、それらが超新星爆発を起こして死ぬ時に、鉄よりも重い元素が生み出され、それが宇宙にバラ撒かれることによって、多様な物質世界が生まれたのだ。

超新星爆発の産物に、「ウラン」という鉱物もあるが、われわれはそのウランを核融合とは全く逆の「核分裂」させることによって、エネルギーを取り出しているのである。





出典:日経サイエンス 2011年 12月号
「宇宙を読む」

2012年9月10日月曜日

雷の落とし子たる「妖精たち」。地球と宇宙の大循環


雷のしきりに走り光る夜。

上空10kmを飛ぶパイロットたちが目にする「奇妙な閃光」があった。しかし、その閃光はあまりにも一瞬であるために、「目の錯覚だろう」と長らく思われていた。

そんな中、宇宙飛行士「イラン・ラモーン」は、宇宙からその閃光の「撮影」に成功した(2003)。

しかし残念ながら、彼の搭乗したスペースシャトル「コロンビア号」は、地球へと帰還する際に大爆発を起こし、乗員7名すべてが不帰の人々となってしまった。ところが、そんな大惨事にあってなお、その貴重な映像だけは、奇跡的に無事であった。


たかが白菜、されど白菜。本当は変わりたいその想い。


現在の日本では、「大根」「キャベツ」に次ぐ国内第3位の生産量を誇る「白菜」。

その普及発展は意外にも遅く、「明治時代」も後期に入ってからである。



日清(1894)・日露(1904)などの戦役を通じて、中国と日本を行き来した軍人たちは、中国で見つけた「珍しくも美味しい野菜(白菜)」の虜(とりこ)になった。

「こんな美味しい野菜ならば、ぜひ日本でも栽培したい」と思った軍人の一人が、「庄司金兵衛」。彼は第2師団に属する仙台出身の兵士であった。



さっそく中国から「白菜の種」を日本に持ち帰った庄司。郷里の友人たちにも、その貴重な種を配り歩く。

庄司の予想通り、「中国には、なんと美味い野菜のあることよ」と、友人知人に大いに賞賛されることとなる。



2012年9月4日火曜日

正しい文法を持つ「サル」、過去を考える「イルカ」。そこに見る人間知性のカギ。


「危ない!木が倒れてくるぞ!」

と、そのサルは叫んだのだ。



サル語のままに記すならば、

「Boom(ブーン), Boom(ブーン)!  Krak-oo(クラッコー), Krak-oo(クラッコー)!」となる。

※彼らは「キャンベルモンキー」という尾長ザルである。



2012年9月3日月曜日

消えゆくウナギ…、流され続けたウナギの行く先は…。


「山芋から化ける途中のウナギがとれた」

明治時代の新聞には、こんな奇妙な記事が載っている。山道でウナギを見つけた御仁は、きっと不思議に思ったのだ。「川を泳ぐはずのウナギが、なぜか地を這っている…」と。

そして、中国の言い伝えでも思い出したのだろう。「山芋が変じて、ウナギとなる」とかいう…。納得のいった御仁、「ああそうか、このウナギは山芋から化けたばかりで、川へと向かう途中だったのだ」。



じつは、ウナギが山道を這うのは珍しいことではない。体表にウロコをもたぬウナギは、皮膚の毛細血管が露出しているために「皮膚呼吸」もできる。それゆえ、身体に湿り気さえあれば、水中でなくとも一週間くらいは生き続けられるのだ。

洪水などで川から打ち上げられたとしても、ウナギは山中を這って、また元の川へと戻っていけるのである。明治の御仁はきっと、そんなウナギでも目にしたのであろう。