もし、ゾウが乗っても破れないサランラップがあるとしたら?
もし、そのゾウが立てた鉛筆の上に乗って、全体重を一点に集中させたとしても、そのサランラップが破れなかったとしたら?
そんな奇跡のサランラップが「グラフェン」という素材なのだという。
ある日、こんなツイートが流れた。「サランラップ一枚の厚さのグラフェン・シートを突き破るためには、ゾウ一頭を鉛筆の上に立たせる必要があるだろう」
このツイートのネタ元は、ジェームズ・ホーン教授(コロンビア大学)だった。教授いわく、「グラフェンはこれまで測定されたうちで『最も強靭な素材』であり、構造用鋼より約200倍も強い」
「炭素」の原子からできているというグラフェンは、「丸めればゼロ次元のフラーレンに、巻けば1次元のナノチューブに、重ねれば3次元のグラファイトになる」そうだ。
その素材の素晴らしさもさることながら、一本の鉛筆の上に巨大なゾウを立たせようとした、無謀な表現こそが実に素晴らしい。
はたして、そのゾウは、体重7トンのアフリカゾウなのか、それとも4トンのアジアゾウなのか?
出典:
日経 サイエンス 2012年 01月号
「至難の業 ある素材についての発言が提起する”重い”問題」
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